16年間の相撲人生で培った 体力と精神力で新たな世界へ挑む
身長168センチ、体重86キログラム。プロレスラーとしては小柄ながら、目の奥に芯の強さを感じさせる石田有輝さんは、八代が生んだ日本プロレス界の期待の星です。
小学生から始めた相撲は、「実は泣き虫だった私の精神を鍛えようと父に通わせられたのがきっかけなんです」と笑います。高校は相撲の名門鳥取城北高校、その後も角界へ多くの力士を輩出してきた日大へ進学。「小1から大学を卒業するまでの16年間は相撲漬けの毎日だった」と言います。
大学生活最後の年となる4年次に新型コロナウイルスが蔓延。学校生活も相撲も謳歌できず、寮で過ごす日々が続きました。そんな時に、以前から好きだったプロレスをテレビで見た石田さん。「その瞬間、心を掴まれたような気がしました。プロレスが“好き”から“やってみたい”と思うようになったんです」。
門を叩いたのは、今日本プロレス界で最も勢いのある『DDTプロレスリング』。卒業後の生活は、これまでの相撲人生とは全く異なるものでした。それでも相撲で培った下半身や体幹の強さ、そして精神力を生かし、わずか半年でデビュー戦を迎えた石田さん。「あまりに緊張し過ぎて頭が真っ白になり、リングの上のことはまったく覚えていないんですよ」と振り返ります。
得意技は16年間の相撲人生で培ったつっぱりと相撲タックル。「他のプロレスラーとの体格差がありますから、その分自分が勝つにはどうすればいいかを考え、スピード感や思いがけない技を取り入れながら独自の試合プランを練ります」と語ります。
プロレスは自分の“夢”を実現する場 熊本、そして地元八代を盛り上げたい
2022年には5月と12月に熊本での凱旋試合に出場。「全国各地で試合を行っていますが、熊本で試合ができることがとにかく嬉しい」と顔をほころばせます。
プロレスは「自分の夢を実現する場所」と言い切る石田さん。試合で今以上、上を目指すことはもちろんですが、「自分自身がどうありたいかをプロレスを通して表現していきたい」と先を見据えています。
そして、人知れず故郷八代への愛情の深さを感じさせる石田さん。最後に「今年はプロ2年目の年。絶対に八代大会を実現して地元を盛り上げ、強くなった自分の雄姿を見せたい。八代の皆さん、応援よろしくお願いします!」と熱いメッセージを贈ってくれました。今年も八代が生んだ日本プロレス界の期待の星から目が離せません。
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●石田有輝さん(23歳)
1999年、八代市生まれ。八代第四中学校を経て、相撲の名門・鳥取城北高校へ。世界ジュニア相撲選手権軽量級で世界2位、インターハイで優勝。日本大学相撲部在籍中は東日本3位。卒業後、『DDTプロレスリング』所属。
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