やつしろ法律相談

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【いじめ問題】

 熊本県では現在、熊本県スクールロイヤー活用事業が実施されています。この事業は、学校におけるいじめ防止教育の推進、教職員の生徒指導力の向上及び学校等が抱える諸問題の解決に資するため、法律の専門家の活用を図り、法的側面からのいじめ予防授業や教職員研修、法的相談活動を実施することを目的としています。

私も、事業の一環として、熊本県内の中学校や高等学校にて、いじめ予防授業や教職員研修を行っています。いじめは、時に、自殺事件のような重大事件に発展する場合もあり、適切な対応が求められます。今回は、子どもが学校でいじめにあっていることが疑われる場合に、保護者がとるべき対応等についてお話します。

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 保護者は、子どもが学校でいじめられていることが疑われる場合には、学校長へいじめ事件を通報し、事件の調査とその結果の回答を求めることができます。この際、記録を残すために、書面により調査等を求めることが望ましいでしょう。

 学校長が誠実に調査をしないことが疑われるような場合には、同様の書面を教育委員会委員長へ郵送して事実調査とその結果の回答を求めます。この調査を求める際、子どもが、いじめによって傷害を負ったという場合には、医師の診断書の交付を受け、これを提出することが望ましいでしょう。また、いじめを受けた本人に、誰が、いつ、どこで、誰に対して、どのように、何をしたのか等を記載した書面を作成させ、これも提出します。

 学校側の対応にもかかわらず、いじめ事案が解決しない場合、最終的には、いじめの加害者を被告として、裁判を起こすことが考えられます。この場合、裁判を起こした側が、いじめがあったことを証明しなければなりませんので、いじめがあったことの証拠を事前に集めておく必要があります。

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 いじめ事案は、早期に発見することが重要です。いじめにあった子どもが、学校から帰ると元気がない、学校の成績が急に悪くなった、学校に行きたがらないなど、様子がおかしいと感じた場合、それがいじめのサインかもしれません。日ごろから、子どもと密にコミュニケーションをとれる関係性を築いておくことが望ましいでしょう。

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月出・長嶺法律事務所

〒861-8039 熊本市東区長嶺南3丁目8-78
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監修/八代綜合法律事務所 弁護士 髙橋知寛先生

 

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