季節も冬になり、寒くなってきました。寒い季節は空気が乾燥し、火事が増える季節でもあります。火のもとにはより注意が必要です。
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火事といえば、インターネット用語で「炎上」という言葉があります。「炎上」とは、不祥事や不適切な言動などがきっかけとなり、インターネット上で批判的なコメントが集中することをいいます。ほんの出来心や不注意で、インターネット上に不適切な投稿をしたために、不特定多数者から批判的なコメントが集中するだけでなく、身元を特定された上、それを公開されるということに発展する場合もあります。自らの過失によってそのような結果を招いたのであればやむを得ない面があることは否定できません。しかし、ある事件で逮捕された容疑者の名字と、ある会社の社名がたまたま同じだっただけで、その会社が容疑者の実家であるなどのデマが流れ、いわれのない誹謗中傷を受けたというケースもあります。
このようなネットトラブルにも、法的な対処が可能です。まず、その書き込みが名誉棄損に当たる場合などは、サイト管理者等に対し、書き込みの削除を求めることが可能です。
また、インターネットはその仕組み上、ある書き込みを行った場合、それがどのパソコン等の端末からなされたかが分かるような痕跡が残ります。したがって、その痕跡をたどれば、ある書き込みを行なったのが誰であるのか特定することが可能です。そして、特定ができた場合には、その者に対して、損害賠償等の請求をすることもできることになります。
ただし、その痕跡が残っている期間はそれほど長くはないため、迅速な対応が要求されます。また、これらの手続きには、ほぼ確実に裁判を必要とするため、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
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以上述べてきたことからすれば、逆に自分が他者の権利を侵害するような書き込みをしてしまった場合、特定されて損害賠償請求を受けるおそれがあることになります。インターネットは匿名性が高いことは事実ですが、完全な匿名ではありません。今日においては、インターネットは生活に必要不可欠であるといっても過言ではありません。非常に便利な反面、さまざまな危険性もあるというインターネットの性質を理解し、節度をもって利用することが求められます。
※この記事は2018年12月号「やつしろ法律相談」の再掲載です
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