「BUY LOCALプロジェクト」創設者・村岡浩司氏緊急インタビュー企画

やつしろぷれす BUY LOCAL

新型コロナウイルスの世界的な蔓延により経済が疲弊し、日本も大変な局面を迎えています。そんな中、困窮している業種を応援するプロジェクト「BUY LOCAL」は宮崎から始まり、その生みの親こそが村岡浩司さんでした。時代の最先端を走る村岡氏の言葉には、これからの世の中を読み解くカギになる内容が満載です。今回は前号から引き続き、インタビュー記事の第2回目となります。ぜひご一読ください。

やつしろぷれす BUY LOCAL

ー#BUY LOCALはコロナ以前より村岡さんが取り組まれていたことに通じますね。

そうですね。新型コロナウイルス感染が広がり、大型SCや百貨店、商店街の真ん中から人が消えてしまって、店舗はかつてないほど苦しんでいます。しかし一方で、僕らがずっと掲げてきた”九州に閉じる”ものづくり事業、つまり、九州の産地・工場でモノを作るという理念を体現した『九州パンケーキ』は、現在、生産が追いつかないほど注文が殺到しています。これまでの考え方を支えてくれたお客さまが、今僕らを助けてくれているというのがとても象徴的なことだと感じています。また、”九州アイランド”という、九州の素材で作られた商品を詰め込んだショップサイトをもっと深めていこうと思っています。商品の一例として、去年の5月に作った『セブングレインパスタ』は、南島原に伝わる伝統の手延べそうめんの伝統技術を受け継いだ職人たちが丹精込めて作った、七穀パスタです。素麺業界は今本当に大変な状況です。どこの製麺所もギフトが全く振るわない中、島原の素麺工場で作っている『セブングレインパスタ』は希望の光になっています。

つまり、地域内での経済循環の”倫理的な調達”、”倫理的な消費”について、もう一度考えるべき時期が来ているのではないでしょうか。九州は本当に豊かです。仮に食料の一部に国際調達の歪みの中で、一時的に食料不足が発生しても、九州に住んでいる僕らは慌てる必要は全くありません。なぜなら、1兆8千億にのぼる農業生産高がわが九州にはあって、食料生産自給率は100%超えているわけですから。常に地元の農家さんがちゃんと地元のスーパー、道の駅に野菜や旬の食べ物を卸しているし、お肉もお魚もある。”どうやって稼ぐのか”をちょっと置いといて、豊かさの定義を見つめなおせば慌てることはないんです。

ーこれから経済に関わる私達が考えないといけないことは何でしょうか。

”人より儲ける”ことだけが豊かなことなのか。ちょっと一呼吸おいて考えてみたいです。今は生き方の再定義をするとき。いつまでも東京主導ではなくて、我々の住む「九州」は主体的にどういう生き方を選択すべきなのか。今回のコロナ感染症では、防疫の観点から町単位で閉じることを強いられたわけですが、復興フェーズではもう少し「九州」という広域の単位で経済を考えて、経済復興に臨んでいくべきです。九州の未来は全く悲観していません。今でもテレビのワイドショーなど東京発信の情報なんて悲観的なものばかりですが、地元のテレビ局が流すニュースは温かいものばかり。東京がこの国の全ての未来ではなく、私たち九州人としての独自の未来を考えていくことが大事だと思います。

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