タイで活躍するプロサッカープレイヤー、樋口 大輝さん。
このコーナーでは、サッカーを通じて日本とタイの架け橋になり、両国のサッカー競技力の発展に貢献したいという彼の熱い想いを発信していく。
「JFLのガイナーレ鳥取へ、アマチュア選手として入団。
生活の為に働きながらも、プロを目指していくことを決めた」
やつぶれ編集部(以下、Y)—大学卒業後は「ガイナーレ鳥取」に入団を決められました。ご両親に相談はされたんですか?
樋口:「ガイナーレ鳥取でプロを目指すことを決めました!」って報告したと思います(笑)。
相談のしようがないですよね。鳥取へ行きたいか行きたくないのか、そこでプレーしたいのかしたくないのかは自分の気持ち次第だから。基本的に、ずっと自分の進む道は自分で決めてきたので、相談はしなかったと思います。
【 その当時の母親談 】
相談はありませんでしたよ。母としては「駄目だったら諦めるだろう」と、受からないことを前提に諦めるのを待っていました。ところが、アマチュアとはいえ、サッカーがやれる場所が見つかってしまったのです。それがガイナーレ鳥取でした。こうなったら、「やっぱり上手くいきませんでした」と諦 めて帰って来るのを待つしかありませんでした。
Y—社会人になってから苦労したことや、学生時代と違う点などを教えてください。
樋口:ガイナーレ鳥取にはアマチュア選手として入団しました。月の給料はたったの3万円。これでは当然生活できないので、練習後は働いて生活費を稼がなければなりません。お世話になったのは鳥取県米子市にある、精神科デイナイトサービス。私はアルバイトとして患者さんのお世話や送迎を担当していました。勤務時間は13時~21時、プロ契約を勝ち取るためとはいえ、金銭的にも時間的にも決して楽な生活はしていませんでした。これは私に限っことだけではありません。今現在J3やJFLでも働きながらプレーを続ける選手がたくさんいると聞きます。一見華やかそうに思えるプロの世界の裏では、決して良いとは言い難い待遇の中で夢を追いかける選手がいる現実もあるということをお伝えして、7月号をしめたいと思います。
樋口 大輝
1984年4月8日、熊本県八代市出身。
日本ではJリーグ準加盟クラブの『ガイナーレ鳥取』をはじめ、数チームに所属。
現在タイのプロサッカーチーム『チャムチュリーユナイテッド』でプレーしている。
ボランティア団体『ピースボールアクションタイランド』代表。177㎝、74㎏。
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