やつしろの働くひと Vol.71

やつしろぷれす やつしろの働くひと

伐採木に新たな命 アップサイクルで 未来への架け橋に

3PERCENT
写真左から、古島隆一さん、山本貴一さん、四宮一人さん

木工房ひのかわ代表・古島隆一さん(43)、四宮木材店代表・四宮一人さん(41)、ヤマモト緑化庭園・山本貴一さん(35)。家業で木に携わる3人で2020年、伐採木に新たな価値を生み出す『3PERCENTプロジェクト』を始動。

木に携わる氷川町の3代目がコラボ 伐採木活用し想いをつなぐ

 氷川町の家具職人の古島さん、材木店の四宮さん、造園業の山本さん。氷川町で木を扱う若手経営者の3人は2020年に『3PERCENT(スリーパーセント)』を結成。伐採木をアップサイクルし製品化するプロジェクトを展開しています。活動のきっかけとなったのは、長い年月をかけてその土地に根を張り、枝を伸ばし、実を付けてきた梨の木が、30年ほど経つと樹勢が衰えることから改植され、焼却されてしまうことを知ったことからでした。

氷川町の特産品としても知られる吉野梨の生産者から伐採した木を譲り受け、3年ほどの乾燥期間を経て作り出したのが『梨だるま』。木の伐採を山本さん、製材を四宮さん、そして制作を古島さんがそれぞれ担当しています。梨にちなみ、「災いなし」「病気なし」「心配なし」の縁起物として注目され、これまでに約500体を製作。202310月に販売を開始、全国から注文が寄せられているそう。この他にも、熊本大学の敷地内にあったムクの木を伐採したり、海外ゲストへの贈り物として伐採したサクラの木を活用しボールペンを製作。また、美里町からも、西南戦争の戦禍を潜り抜けてきた銀杏の木の伐採、活用の依頼が舞い込むなど、活動が広がりを見せています。

「梨だるま」は、伐採した幹の節やひび割れが味となっている『FUSHIME』のほか、『PREMIUM』『URUSHI』『KABUKI』の4種類
熊大からの依頼で伐採したサクラなどで製作したボールペン

3%の変化で世界は変わる! それぞれの強み生かし新たな価値に

3人が製作するモノは、単なる材料として伐採木を扱うのではなく、その地で紡いできた木の歴史や地域の人たちの想いを汲み取り、新たな価値ある製品として蘇らせることに意義があります。「依頼者には、できるだけ多くの木にまつわる話を伺い、構想を練ります」と古島さん。製品を作るために木を伐採するのではなく、伐採した木にストーリーを重ね製品化することを基軸としています。

3%の変化で世界は変わるー」。この想いからプロジェクト名を決めという3人。一人ではなし得ないことも、想いを共にする3人が集まり、強みを生かすことで「やさしい未来をつくる架け橋になれる」と山本さん。「この活動を通して、一人ひとりの知名度をさらに広めていくことが最終的な目標」と四宮さんも前を見据えています。

人と人、人と地域、過去と未来をつなぐ3人のチャレンジは、これからが本番です。

4年をかけて氷川町で集めた伐採木を活用し製作した『Hütte(ヒュッテ)※』も登場。イベントなどで展示販売予定 ※「Hütte」はドイツ語で山小屋の意味

 

 

 


お問い合わせ:木工房ひのかわ
TEL:0965-62-2133
住所:八代郡氷川町宮原671-1
Instagram▶︎ 3percent_project
梨だるま予約注文web▶︎ 木工房ひのかわWeb注文

 

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