【SNSで詐欺の被害に遭わないためには】
■事案
40代の主婦Aさんは、SNSで見つけた「簡単な副業で高収入」という広告に惹かれ、連絡を取りました。相手とは通信アプリでやり取りし、対面することはありませんでした。相手は「副業を始めるには自己資金が必要」として、複数の消費者金融から借り入れるよう指示しました。Aさんは相手の指示に従い、総額200万円を「手数料」や「講座代」として振り込みましたが、副業は紹介されず、連絡も途絶えました。
■説明
Aさんが遭遇したのは、消費者金融からの借り入れを利用した悪質な副業詐欺です。「高収入には初期投資が必要」「信用を示すため」と説明し、不要な借り入れをさせてその資金を詐取する手口で、被害者に多額の債務を負わせることが特徴です。
Aさんのケースは、特定商取引法の「業務提供誘引販売取引」に該当する場合もあります。この法律では、副業を提供する際に金銭を請求する業者に対し、契約内容や費用について十分な説明を義務づけており、クーリングオフも認められます。しかし、詐欺業者は身元不明な場合やレンタルオフィスを使ったペーパーカンパニーである場合が多く、実際に金銭を返還させることが難しいケースも多く見られます。
このような詐欺に巻き込まれないためには、「高収入」や「自己資金」を求める甘い誘いに乗らないことが重要です。正当な業者であれば、対面したことのない相手に多額の借り入れを求めることは通常ありません。
万が一被害に遭った場合は、できるだけ早く警察署に相談しましょう。相談時には、相手とのやり取りの証拠(SNSメッセージや支払い記録)を用意します。また、振込先の銀行に取引停止を依頼することで、相手が引き出す前に口座を凍結できれば返還の可能性が高まります。消費者金融への返済や今後の対応については、弁護士に相談することをお勧めします。
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