「親にできること・できないこと」
うちの長男から数えると、私もう20年ぐらい子育てしてるわけじゃないですか。最近特に思うんですよねー。「結局親ができることってものすごく限られてるんじゃないか」って。子育ては大事ですよ。でも同時に現実を見つめる必要があるというか。
たとえばいろんな研究によると、子どもの能力に影響するのって「遺伝」と「外的要因(友人関係や環境等)」がメインで、生まれたあとの親の影響って意外と限られてるんですね。にもかかわらず、です。社会、特にいろんなビジネスは子育ての重要性を強調して、それでお金を儲けると。
いやね、子育てが大事じゃないって言ってるんじゃないんです。やっぱ大事ですよ。ただ、どこに力を入れるかがポイントになると思うんですね。そのひとつが「とにかく機会を与えること」なのかなと。子どもに大きな影響を与える「外的要因」への繋ぎ役ですね。子ども達をとりあえずそこまで連れてってあげて、あとは社会にお任せ。
実はうちも「とにかく子ども達に機会を与える」を信条にしてきました。というのも私自身が親としてポンコツだって最初からわかってたからなんですね。私が一から十まで子育てしたらロクなことにならないと思ってたので、社会に子育てを任せたんです。うちの場合はこれがものすごくうまくいきましたねー。
私が社会に子育てしてもらうためにやった「とにかく子ども達に機会を与える」の良い例が、「上の子を連れて夏休みに八代に帰って本町一丁目のアーケードで一人でベース弾かせる」とかですね。その結果として何が起きたかというと、恐ろしく度胸がついたんですね。ハートがチョー強くなったんです。うちの19歳がジャズの欧州ツアーやアジアツアーの仕事をゲットできたのはその度胸のおかげですからね。能力云々の前に度胸がなければどうしようもないってこと、結構あるじゃないですか。うちは私がポンコツだったおかげでそこがうまくいきましたねー。ラッキー。
筆者:竹永浩之
八代市出身。八代小→一中→南校(現:清流高校)→沖縄の大学へ
(小中高時代のあだ名は“ポンタ”)。
沖縄で海の仕事に従事→アジア放浪→渡米。
メディアで働いたあと主夫に。
アメリカ人のかみさんと息子2人の4人家族。
米国・ニュージャージー州在住。
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