ぽん太のアメリカ便り Vol.76

やつしろぷれす 主夫ぽん太のアメリカ便り

「なんでこうなった?」

 八代に帰ったときにラ・パンセにパン買いに行ったり(もう閉まっちゃったけど)、スノーマンにケーキ食べに行ったりしてたんですけど、ラ・パンセとかスノーマンをNYに持ってきたらチョー繁盛店になると思うんですね。冗談じゃなくて。それくらい日本のパン屋さんやケーキ屋さんってレベルが高いんです。世界に誇れるレベルだと思いますよ。

 にもかかわらずですよ、今NYで最も成功してるパン屋兼ケーキ屋さんは韓国から来たチェーン店なんです。味で言えばおそらく日本のパン屋・ケーキ屋のほうが美味しいんですよ。なのになのに韓国系に制覇されてるんですね。もし日本から、たとえばパン屋のチェーン店が進出してきてたら確実に成功してたと思います。でもそうならなかった。NYには日系のパン屋さんもあることはあるんですが、韓国系に圧倒されてるんですね。「なんでこうなった?」と私よく考えるんです。

 私はNYで日系のパン屋が韓国系の店にボコボコにやられるのを20年以上ずーーーっと見てました。美味しさや味では勝ってるのにとにかく立ち回りがヘタクソなんです。日本からパン屋のチェーン店が進出してくることもないし、地元の日系パン屋にも将来を見据えた戦略的なアプローチがない。なんかボーーーっとしてるんですよ。時代を掴んでいくみたいな気概というか意志が見られないんです。

 でもよく考えたら、これって別にNYの日本人経営パン屋だけじゃなくて「世界の中の日本」にも当てはまりますよね。ここ30年の日本も同じだったんじゃないかと。さまざまな産業のシェアを失い、他国にどんどん追い抜かれ、でも戦略的アプローチもなく、とにかく立ち回りがヘタクソ。だから私、日本に関しても「なんでこうなった?」と思うことがあるんですね。私たち日本人は何を間違ったのか、なぜ間違ったのか、そしてこれからも間違い続けるのか。日本人全員が考えるべきテーマだと思いますよ。


筆者:竹永浩之

沖縄で海の仕事に従事→アジア放浪→渡米。
メディアで働いたあと主夫に。

八代市出身。八代小→一中→南校(現:清流高校)→沖縄の大学へ
(小中高時代のあだ名は“ポンタ”)。

アメリカ人のかみさんと息子2人の4人家族。
米国・ニュージャージー州在住。

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