フィールドマスター合同会社
代表 林 孝憲さん
楽しく、夢広げて! 未来に続く新たな農業への挑戦

イ草から飼料稲へ転作 効率化図り持続可能な農業へ
田んぼに並ぶラッピングされた大きな白い塊―。見たことがある人も多いと思いますが、中には牛や馬の餌となる稲WCS(ホールクロップサイレージ)が詰め込まれており、その生産と収穫作業を受託しているのが、林さんが代表を務める会社です。
もともとイ草農家だった実家が1999年の台風18号による塩害をきっかけに、飼料稲事業に移行。林さんは5年前に就農し現在、15haの自社農地以外に約145haの農地の収穫を受託しており、年間1万個を超える稲WCSを販売しています。「私たち農家が最も大切にしているのは、脈々と受け継がれてきた日本の宝である水田の維持。農業人口の減少を食い止め持続可能な農業に転じていくために、イ草から飼料稲への転作が大きな契機となった」と振り返ります。
大学で自然科学を学び、肥料メーカー在職時には土壌医の資格も取得。その知識と経験を農業の柱となる土づくりにも応用しています。契約畜産農家から持ち帰った牛ふん堆肥を自社の田に戻し、有機物が豊富な良質の土壌を作る。良質の田で育った飼料稲を再び畜産農家に出荷する循環型農業に挑戦しています。「今後はより収益を望め、水田を維持しつつ栄養価の高い飼料を生産できるトウモロコシの育種にも力を注いでいきたい」と先を見据えています。




若手農家9人が挑む 農業の楽しさ、地域の魅力を発信
「農業は大変というイメージが先行しがちですが、農業の“楽しさ”を伝えつつ、技術向上につなげていきたい」と昨年末、八代の若手農家9人が結集し『Fam Lab8』を設立。また、野菜やイ草、果物の生産者が農作業を競技化し、それぞれの仕事の魅力を伝える『アグリスポーツ』を始動。ブロッコリーの移植機レースやイチゴのパック詰め競争など、日ごろの作業を体験しながら競技として楽しみ、その様子を発信するユニークな取り組みが注目を集めています。
現在、米の等級・品種当てや試食会などを盛り込んだ学校向けの体験イベントを企画するほか、農泊体験ができる拠点づくりも進行中。「一人では難しいことも9人が集まるといろんな知恵がどんどん湧いてきます。これからどんな化学反応が起きるか楽しみ」と林さん。農業本来の醍醐味を伝えていくことが、農業本来の魅力を輝かせ、地域を元気にしていく力となりそうです。

●お問い合わせ:フィールドマスター合同会社
TEL:0965-52-7337
住所:八代市鏡町鏡630-2
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