ぽん太のアメリカ便り Vol.94

やつしろぷれす 主夫ぽん太のアメリカ便り

「ドクターの診察時間問題」

 ときどきこのコラムの読者から編集部経由でコメントをいただくことがあるんですね。先日も「ぽん太さんのアメリカ便り、いつも読んでます!」みたいなコメントがあったんですが、それを読んだときに「あ、このコラムそう言えばアメリカ便りだったわ」と気づいてしまったというね。失礼しました。すっかり忘れてました。八代のことばーーーっか書いてましたねー。もー。

 というわけで今回はアメリカのことを書こうと思うんですが、こっちで整体みたいなことやっててたまに思うのが、「ドクターはもっと患者の話聞けよ」なんですね。私のところにはドクターとか鍼灸とかカイロとか行ったけど治んなかった、という人が来るんですが、みんな口を揃えて言うのが「ドクターがぜんぜん話を聞いてくれなかった」なんです。いろんなとこ行っても治らなかった人たちですから問題もなかなか複雑で、ちょっと話を聞いたぐらいじゃ全体像がわかんないんですね。ちなみにアメリカのドクターは、一人の患者に対して平均で1724分ぐらい使うみたいです。

 たとえば、先日不眠症の人が私のとこに来たんですが、その人いろんなドクターに行ったのに不眠症が治んなくて、結局ここ1年半ぐらいしっかり寝れてなくて、毎日睡眠薬飲んで無理やり寝て、いつも午前1時とか2時にムクっと起きて、キッチンをぐるぐる歩いてるって言うんです。で、その人と一緒にこれまで何人のドクターに行ったか数えたんですよ。そしたら12人なんです。ドクターの数、12人ですよ。別のドクターに行く度に新しい薬を処方されて、それでさらに悪化するというね。その人もね、「ドクターがぜんぜん話を聞いてくれなかった」って言うんですよ、これが。

 だから私ですね、徹底的にその人の話を聞いたんです。1時間半ぐらい。そしたら「あー、こんな感じなのね」っていう全体像がわかるんですよ。で、施術したらその人の不眠症、一発で治りました。技術や知識云々の前にまず「時間」だと思うんですよねー。


筆者:竹永浩之

八代市出身。八代小→一中→南校(現:清流高校)→沖縄の大学へ
(小中高時代のあだ名は“ポンタ”)。

沖縄で海の仕事に従事→アジア放浪→渡米。
メディアで働いたあと主夫に。

アメリカ人のかみさんと息子2人の4人家族。

米国・ニュージャージー州在住。

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