やつしろの働くひと Vol.70

やつしろぷれす やつしろの働くひと

あぐりんく M
代表 溝口善久さん

二見の未来を担い “農”をつなぐ 新たなチャレンジを

八代市出身。二見本町在住。溝口善久さん(50歳)。水俣工業高校(現水俣高校)卒業後、設計(トレース)、配送、溶接などの仕事を経て、2023年9月に『あぐりんく M』を設立。2024年1月に就農。父、母、妻、2人の子どもの6人家族。

持続可能な経営見据え スマート農業へ移行

米やナス、タマネギ、ニンジンなどを生産する農家の長男として生まれた善久さん。高校卒業後は、設計や配送、溶接など様々な仕事を経験してきましたが、高齢になった父から農業を受け継ぐために昨年、『あぐりんく M』を設立。2024年1月に就農し、本格的に農業に打ち込み始めました。

 地域の中でも農業従事者の高齢化が課題とされている中、持続可能な農業を視野に入れ、善久さんが取り組んでいるのがスマート農業への移行です。経営の柱の一つであるナスの栽培においては、水管理が品質を左右します。「これまでディーゼルエンジンで水を引き上げていましたが、今年はモーターポンプに移行。後々は、タイマーで水やりができるよう環境づくりにも力を注いでいきたい」と先を見据えてきます。

 また人手が足りず、天候に左右される農業においては、少人数でいかに収量を上げていくかという課題があります。「ナスの栽培方法も4本自立から2本自立式に変えてみるなど、今年は自分なりに工夫と改善を加えてみました。思考錯誤しながらですが、とにかく“やってみる”ことが大切だと思っています」。稲刈りが終わったばかりの今、善久さんは年内収穫を目指し、スナップエンドウの栽培にもチャレンジしています。

溝口家のナスは加工用の『築陽』。今後は別品種のナス栽培も始める予定。

無農薬の“二見ブランド”確立 新たな販路模索し農産物をPR

善久さんの作る野菜は、土づくりはもちろん、無農薬での栽培を基本としています。「私たちも健康であれば病気にならないように、野菜も健康であれば病気は付きにくいと思うのです。そのために手は掛かりますが、本当に必要なものだけを与えて育てた野菜づくりを目指したい」と語ります。

 現在、二見農産物直売所『しょい』や『ばんぺいゆ』などで販売している溝口家の野菜。「今後は、インスタやECサイトを使い、販売網の拡大に力を注いでいきます」と新たな二見ブランドの確立にも目を向けています。

 11月3日には、二見の農産物が並ぶ『二見風土フェスタ』を開催。「二見で栽培された米を当てる“きき米”などの催しも計画しています」。何事も楽しむ姿勢を忘れない善久さんのチャレンジが、二見の農業の未来にどんな風を吹き込むか、今後も楽しみです。

 

10月上旬には稲刈りが終了。すぐに、スナップエンドウの植え付けが始まります。
ナスやシャインマスカット、米、タマネギをモチーフとしたキャラクター『二見農ガールズ』を考案。二見のブランド野菜のPRに活用していく予定です。画像のステッカーシールは『しょい』で販売中。

お問い合わせ:あぐりんく M
TEL:090-53842-8390
住所:八代市二見本町1423-5

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