【遺産分割】
先月号の記事では、西田弁護士が相続についてお話しされていました。そこで今回は、相続後の手続の一つである「遺産分割」についてお話します。
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遺産分割とは、亡くなった方が死亡時に持っていた財産(遺産)について、その財産の持ち主が誰になるのか確定させる手続きです。
遺産分割の対象となる遺産とは、相続開始時に存在し、かつ、分割時にも存在する未分割の遺産をいいます。仮に、相続人の一人が被相続人の亡くなる直前に、被相続人名義の預貯金を引き出したとすると、その引き出した預貯金は、遺産分割の対象とはなりません。これに不服がある他の相続人は、遺産分割以外の手続によって解決を図ることになります。また、被相続人が亡くなった後に、被相続人の持ち物であった家が焼失してしまった場合なども、遺産分割の対象とはなりません。
遺産分割は、現金、預貯金、不動産などの財産を、相続分に応じて、相続人に分配する手続です。現金や預貯金の場合は、それをそのまま相続分に応じて分ければいい(「現物分割」といいます)のですが、不動産などの場合、その価値を評価しなければ、遺産を適正に分配することができません。また、いつの時点の評価に基づいて分配すべきかも問題となりますが、裁判所では、原則として遺産分割時の評価に基づいて分配する扱いになっています。
不動産の分配の方法は、そのまま共有名義にすることもあると思われますが(「共有分割」といいます)、相続人のうちだれか一人の名義にした方が都合がいい場合も多いと思われます。そのような場合は、不動産の評価額を前提として、その不動産を一人が取得する代わりに、その一人が、他の相続人の相続分に応じてお金を支払うという、「代償分割」という方法をとることができます。
このように、遺産分割は、その遺産の評価が重要となりますが、評価方法は状況に応じてさまざまです。遺産分割でお悩みの際は、弁護士にご相談ください。
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