あの人に会いたい。File.13

東京と八代の2拠点生活! あふれる“八代愛”をカタチに

 おしゃれなカフェやハイセンスなセレクトショップが立ち並ぶ東京の中目黒と、海山に囲まれた温泉地日奈久を行き来する山田さん。芸能を志し20歳で上京し、様々な仕事を経験する中で気付いたのが「美味しいものや後世につないでいくべき歴史、文化遺産などが八代にあふれていること」でした。「住んでいる時は当たり前すぎて目にも留まらなかったのに、離れたからこそ良さが見えてきたのだと思います」。そこからは、いつの日か東京のいいものを八代に持って帰ることが山田さんの目標に。「私は“八代のスパイ”だけんですね!」と笑い飛ばす姿からも、あふれる“八代愛”が感じられます。

 今年2月、古着屋『リッツモンド』をオープン。山田さんがバイヤーとして目利きした商品が、古民家をリノベーションした店舗にズラリと並びます。「店名も、昔入り浸っていたゲームセンターの名から考えた」のだそう。温泉地のレトロ感が漂う店先から一歩店内に入ると、そこはまさに“中目(なかめ)”。専門学校時代の友人と手作りしているという商品棚や造作棚にも、山田さんのこれまでの経験やこだわりが光ります。外観と店舗内の雰囲気の違いが“ギャップ萌え”。「このギャップに、あえて下北や八代市街地でなく、日奈久に店を出した意義がある」と語ります。古着屋を想定できる場所ではなく、「こんな所に?」という意外性がこれまでとは違った人を呼び、それが引いてはその地を知ってもらうきっかけになるー。山田さんが帰熊して店を持つ本来の狙いは、ここにあったのです。

竹輪にイ草、高田焼とのコラボも おもしろい人を呼ぶ発信基地に

 あえて町にないものを持ってくることで、新たな風を吹き込みたいと古着屋をオープンした山田さんですが、店を開けるのは、土·日曜を中心に月に10日ほど。「この特別感があるからこそおもしろいし、東京と八代を行き来しながら両方の良さを生かせる」と言います。

 今後は、八代の名物·日奈久の竹輪やイ草、高田焼などとコラボした商品の開発を行いながら、「この場所で八代のおもしろいもの、埋もれた人の能力を掘り起こしていきたい」と山田さん。日奈久(八代)のおもしろ発信基地としてどんな風を呼び込み、そして発信してくれるのか、今後の展開が楽しみです。

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●山田貴久さん(42歳)

八代市生まれ。熊本デザイン専門学校卒業後、上京。司会業、古着バイヤー、ファッション誌ライターなどを兼務しながら2014年にイベント会を設立。今年2月、日奈久に古着屋『リッツモンド』をオープン。

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