やつしろの働くひとVol.55

やつしろぷれす やつしろの働くひと

大きな愛を込めて 家族で力を合わせて 晩白柚作り

八代市奈良木町在住、久保田正夫さん(58才)、美保子さん(54才)。正夫さんは、八代農業高校を卒業後、すぐ実家の農業に従事。26才の頃、美保子さんと結婚。3人の子宝に恵まれる。現在は、長男も晩白柚栽培に加わる。90代の両親、ペットのレオン君と共に暮らしている。

今季の晩白柚は 味が良いと太鼓判!

 のどかなミカン山が広がる八代市奈良木町。ここで生まれ育った久保田正夫さんは、代々続く農家に生まれ、高校卒業後すぐ農業の道へ進みました。「農家の長男でしたので、高校を出てそのまま両親と一緒に働き始めて40年になりますね」。そう話す久保田さんは、ミカン農家の2代目。父の代から晩白柚を栽培し始めたそうです。柑橘類の中では圧倒的な大きさを誇り、贈答用にも喜ばれる晩白柚。久保田さんのところでは、ハウス栽培を主体に、路地栽培も行なっています。

 11月からハウスの収穫が始まり、それが終わると路地ものの収穫が年末まで続き、翌3月頃までが販売期間。「今季は水不足だった影響で、実が大きく育ちませんでした。だけどその分、皮が薄く、実がぎっしり詰まっていて糖度が高くて美味しいですよ」。M~3Lサイズまであるなかで、今季はL玉が中心。それでも1個あたりの大きさは1721㎝と、普通の柑橘類に比べると超ビッグ! 赤ちゃんの頭くらいにコロンと丸く、色鮮やかな黄色の晩白柚を見ているだけで、心がほっこりしてきます。店頭にずらりと並ぶ晩白柚は、今がまさに旬。家に飾ってしばらく香りを堪能した後は、爽やかな味を楽しんでみてくださいね。

収穫時に緑色だったものは、ハウス内に並べて日光浴。すると、色鮮やかな黄色へ変身

息子へ受け継がれる 地域特産の晩白柚栽培

 毎年、2月頃から木の剪定がスタート。剪定は、新しい芽をつかせるために必要な作業で、これが新しいシーズンに向けての下準備となります。ゴールデンウィーク頃には、ザボンの花から花粉を手作業で取り出し、交配作業を行ないます。夏頃には、一つひとつの果実に袋をかぶせ、色やけや傷がつかないように。こうして必要な作業とお手入れを繰り返しながら、収穫期まで丹精込めて作業が続いていきます。「晩白柚作りは、年間通して作業の予定があるので、健康にも気を使っています」。毎日、朝と夕方、犬の散歩を日課にし、健康づくりも欠かさないそうです。

交配用の機械を使い、花粉に養分を混ぜたものを、一つずつの木に手作業で交配していく

今季収穫した晩白柚。糖度が高く、味は太鼓判

 5年ほど前からは長男・大靖さんが両親をフルサポートするようになりました。多くの農家が後継者不足に悩むなか、息子さんの存在は夫婦を支える大きな力に。「家族で力を合わせて、笑顔で頑張ります」。そんな夫婦の力強い言葉に、地域の特産品の未来につながる希望を感じました。

収穫期のピークには、1日400個近く出荷する日もあるそう!

問い合わせ
八代市奈良木町381
0965-34-6184

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