やつしろの働くひとVol.54

やつしろぷれす やつしろの働くひと

干拓地生まれの甘いトマトに情熱を込めて

八代市郡築在住、井上千寛さん(27才)。八代工業高校出身。高校卒業後すぐ、両親のもとで農業に従事。経験を積んだのち、5代目として3年前から農業経営のバトンを受け継ぐ。両親、祖父母、妻、お子さん2人(2才、1ヶ月)、妹と一緒に暮らしている。

先祖から受け継いだ土地でトマト栽培に奮闘中

 八代海に面した郡築といえば、トマト栽培が有名な地域です。干拓地として広がった大地は、ミネラル成分を多く含み、その豊かな土壌から育まれる農産物は、美味しさも太鼓判。郡築十一番町で農業を営む井上千寛さんは、先祖代々続く農家の長男に生まれ、その5代目としてトマト栽培に熱心に取り組んでいる若手生産者の一人です。

 農業を仕事に選んだのは、自然の成り行きだったそう。「妹が2人いますが、自分が長男なので、子どもの頃からいずれ、両親の後を継いで農業をすると思っていました。抵抗はありませんでしたね」。

 高校卒業後、すぐにトマト栽培を手伝うようになり、両親のもとで農業のイロハを学び、今年で10年が経過。現在は、両親と妻、パートさん3人、さらにベトナム人の技能実習生4人を雇い、約170アール(1町7反)の土地でハウス栽培を行なっています。

 3年ほど前から、千寛さんが主体となって、栽培の管理やパートさん達の指導役を任されるようになったそうです。父から子へ、世代交代のタイミングに覚悟を決めた千寛さん。「地域には同世代のトマト農家も多いので、積極的にコミュニケーションを取りながら、情報交換をしています。美味しいトマトを栽培するために、探究の日々が楽しい!」。意欲を燃やしながら農業一筋に取り組んでいます。

八代海に面した干拓地に広がるトマト栽培用のハウス。地域一帯にハウスが立ち並んでいる

一年ずつ成長を重ねながら八代産トマトに情熱を注ぐ日々

 トマトの収穫期は、10月~翌年6月まで長期に及びます。千寛さんのハウスでも、家族と従業員さんが総出で、毎日コンテナいっぱいに収穫・選果して、出荷しています。栽培しているトマトは、高い糖度が特長。一般的には4~5度程度だといいますが、出荷先の組合の基準により、5.5度以上を出荷。高いものだと7度近くになることもあるそうです。緑黄色野菜の代表、トマト。栄養面もさることながら、一口食べた瞬間の甘くてフレッシュな味わいが評判です。

「今年は雨不足と天候不良の影響もあり、満足のいく栽培ができませんでした。今年学んだことを必ず来年に活かし、一年ずつ成長していきたいです」。干拓地で育った八代産のトマト。美味しさには大地の栄養と生産者の思いが詰まっています。

収穫期を迎えたビニールハウスの中では、パートさんたちが忙しそうに働く姿が。トマトを一つひとつ手作業で収穫し、選果していくそう

収穫したてのフレッシュなトマト。大きくて実が詰まり、ずっしりしている。糖度にこだわって栽培中

●問い合わせ
八代市郡築十一番町79-2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です