丸尾園芸 代表 丸尾 憲遵さん
高齢化が進む地域の農業を支えるために奮闘
八代市日奈久町在住、丸尾憲遵さん(42才)。八代工業高校、熊本県立農業大学校を経て、22才で就農。2000年に結婚後、現在は妻・良子さんと共に米とカーネーションを栽培。農薬散布を請け負う会社「日奈久ヘリサービス」の代表も務める。キュウリと菊を栽培する父・敏勝さん、母・洋子さん、お子様4人の8人家族
3代目後継ぎとして花栽培にチャレンジ!
のどかな田園風景が広がる八代市日奈久町で、カーネーションとお米(主食用米・加工用米)を栽培している丸尾憲遵さん。祖父の代から続く米農家の長男だった丸尾さんは、3代目の後継ぎとして農業の道を志しました。八代工業高校・機械科、熊本県立農業大学校・園芸学科花きコースを卒業後、米以外の新たなチャレンジの場を求めて、上益城郡甲佐町の花き農家で2年ほど経験を積み、22才のとき就農。ガーデニングブームの影響もあり、花の栽培のみに特化して農業を始めましたが、周辺農家さんの高齢化によって次第に稲作の受託が増加し、現在に至ります。
地域の農業をサポートするために
丸尾さんには農業とは別に、地域の農業を支える大切な役割があります。それは、ヘリコプターを使った農薬散布の仕事。そのきっかけは、日奈久地域の農業従事者の高齢化が要因でした。農薬散布は作業負担が大きく、深刻な声が上がっていたとき、日奈久の営農改善組合に所属していた丸尾さんが、同組合の組合長を引き継ぐことになり、農薬散布の負担軽減を図れないかと模索します。そのとき注目したのが、作業のスピーディー化を促し、農薬の効き目に効果を発揮する「ヘリコプターを使った農薬散布」でした。若手の農家さんらと協力し、ヘリサービスの合同会社を設立したのが2018年7月。現在は、八代・水俣地域で約60戸の農家さんから依頼を受け、約200アールの田んぼに農薬散布を行っています。
新事業を立ち上げるにあたり、ヘリの操縦訓練や一台1500万円もするという高額なヘリの購入など、苦労も多かったそう。「ヘリは高額なうえ、100キロもの重量があるので落下したらアウト。突風などの気象状況を読み、電線や家屋などにも気を配りながら飛ばすので気苦労も多いです」と丸尾さん。それでも地域貢献のため、農薬散布の役割を担い、地域の人たちが長く農業に関わり、耕作放棄地がでないようにするために奮闘中です。「うれしいことに、現在高校に通う双子の息子たちが、農業の道へ進みたいと言ってくれています。農業のやりがいや喜びを若い世代へ伝えていけるように頑張っていきたいですね」と力強い言葉で抱負を語ってくれました。
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