宮島農園 宮島真一さん/あゆみさん
夫婦ふたりで小規模農園経営を
八代市昭和同仁町でトマトやパプリカを生産している宮島農園。3代目である真一さんと、妻のあゆみさんの夫婦ふたりで切り盛りしています。真一さんは跡を継ぐべく八代農業高校園芸科に進学し、卒業後すぐに就農しました。就農当時はトマトとメロンだけを栽培していましたが、28才の時に父親が他界。母親を支え、近所の農家さんに助言をもらいながら農園を経営し、「親子ふたりで食べていくのが精一杯だった」と当時を振り返ります。植物の栽培が趣味というあゆみさんと意気投合し、2001年に結婚。転機が訪れたのは、農業専門誌に掲載されていた日本デルモンテアグリ株式会社(以下デルモンテ)の、実験栽培に応募したことがきっかけでした。
試行錯誤の末、実験栽培に成功
世界でシェア3番手を誇る大手食料品製造メーカーのデルモンテ。その農業原料部で研究開発される新種のトマトの苗を購入し、栽培を始めます。品種ごとに収穫数・重さ・糖度などの検査項目を細かく記入したレポートを本社に提出。時には本社CEOや研究員が宮島さんの農園を直接訪れることもあるそう。「土や肥料にこだわらず、とにかく素直に育てて、家庭菜園でも作れるようなトマトを目指している」という宮島さん夫婦。ふたりで多品目を生産管理し、作業も完全分担制に。人手を増やせないので植付面積も60aから30aに縮小したそう。「デルモンテさんとの信頼関係を築き上げ、試行錯誤を重ねて最近ようやく成果が出てきた」とのこと。
収穫したトマトは販促・展示用に全国のホームセンターへ出荷し、余剰分を地元の物産館や直売所へ納品。規模を縮小した分、収穫数も限られ店舗に並ぶトマトの数は少ないものの、宮島さんの努力と実験に基づく確かな品質が徐々に認められて、最近ではすぐに完売してしまうほどの人気ぶりです。上日置町の『八代よかとこ物産館』には、あゆみさんの手書きPOPが毎日掲示され、読むのを楽しみにしているお客様もいるそう。
「これからは味や色の希望をデルモンテに\提案して新しい品種を生み出したい。ハウス見学を企画してより多くの人に私たちのトマトやパプリカを食べてほしいです」と意気込みを語ってくれました。
コメントを残す