「ニューヨークについて」
私がアメリカに来たのは1992年2月正確にはアメリカに来たつもりはなくて、NY(ニューヨーク)に来たんですね。アメリカに対して変なあこがれもなかったですし、アメリカは別にどうでもよかったです。「自分の身をNYに置く」のが目的だったんですね。
ではなぜNYだったのか?これは自分でも未だにわからない部分があって、おそらく「何者の存在も許すNYという街に住んでみたかった」んだと思います。ただ私、NYのこと何も知らなかったんですよ。憧れとかもなかったし。どこで「何者の存在も許すNY」というイメージを仕入れたかがよくわからないんです。不思議ですよね。なんか呼ばれるようにNYへ行ってしまったという。
私が来た当時のNYって相当ヤバかったです。犯罪率も高くて、街自体も今と比べると汚いし、かなりいかがわしかったですね。うちのかみさんは、NYブルックリンのこれまたヤバいところの出身で、かみさんの実家に遊びに行くとき、私、電車の駅からかみさんの家まで全速力で走ってましたからね。ちんたら歩いてると襲われるので。
そのNYが今はものすごく安全になって、街もキレイでオシャレなお店でいっぱいなんですよ。同時に物価もチョー上がって、家賃なんてワンルームのアパートが30万円とかするんです。ふざけてますよね。
何もかもが高くなったせいで、お金のない人たちがNYに住めなくなってるんです。「何者の存在も許すNY」じゃなくなってきているという。なんか寂しい部分もありますが、まあ私の場合はNYに来ないとかみさんに出会えなかったんで、それだけでもう十分かなって感じです。「NY、ありがとう」ですね。
筆者:竹永浩之
八代市出身。八代小→一中→南校(現:清流高校)→沖縄の大学へ(小中高時代のあだ名はぽん太)。
沖縄で海の仕事に従事→アジア放浪→渡米。メディアで働いたあと主夫に。
アメリカ人のかみさんと息子2人の4人家族。米国・ニュージャージー州在住。
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