資産運用その ⑤
~ 投資信託基本編 ④ ~
前号では投資信託におけるコストについて書きました。
手数料と呼ばれるコストは主に「購入時手数料(買付手数料)」「運用管理費用(信託報酬)」「信託財産留保額」の3つがあり、前回は購入時手数料について書きましたので、今回は他の2つを掘り下げていきたいと思います。
まず、「運用管理費用(信託報酬)」は投資信託を持っている期間中に毎日支払われる費用で、年率0.05~3.0%かかります。この率が高ければ高いほど手元に残るお金は減ってしまいます。元本100万円をリターンがないという条件で10 年間保有した場合、運用管理費用の違いがどれくらい資産額に影響を与えるかを見てみましょう。
運用管理費用が年率0.1%のAファンドと年率2%のBファンドがあるとします。
Aファンドは年率0.1%なので毎年1,000円の運用管理費がかかりますので、10年で1万円です。
Bファンドは年率2%なので毎年2万円の運用管理費がかかり10年間で20万円になります。
すると同じ100万円を10年間保有しているだけで、100万円が99万円になるか80万円になるかは、とても大きな違いです。運用管理費(信託報酬)はできるだけ年率が低いものを選ぶ基準にしましょう。
続いて「信託財産留保額」です。これは投資信託を解約する時にかかる費用で、0.0%~0.5%かかります。
投信を解約した人が、その投信を持っている他の人たちのために残していく(留保していく)いわゆる迷惑料のようなものです。
投信を解約する人がいると、株や債券の一部を売って現金化して、解約する人に渡さないといけません。この現金化する時に手数料がかかったり、売りたくないタイミングで売らねばならず損をしたりと、余計な費用がかかります。
この費用をみんなで負担するのは不公平になるので、解約する人が投信を保有している人たちに対して「迷惑料」として支払うということです。
運用する側から見ても、頻繁に解約されると資金の流出入が激しくなり安定的な運用が難しくなるので、長期的に安定した運用をするための仕組みなのです。逆に言えば、この信託財産留保額を取る投信の方が長期運用を目指す人にとっては良いとも言えます。コストの安さだけに注目せず、自分の投資スタイルに合った商品を見つけるのがポイントです。
講師・・・
有限会社Prime1 代表取締役
Next Stage 代表
伊藤 慶輔さん
損害保険、生命保険の代理店を経営するかたわら目標達成コーチとして企業や商工会にてモチベーションアップやコミュニケーション、相続等のセミナーを多数行う。
有限会社Prime1
〒866-0852 熊本県八代市大手町2丁目2-18
TEL:0965-39-3156
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